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Florian's most newest Diary

ふろりあんの再最新日記

月光条例-かぐや編-/カプセル兵団

すごく勢いのある舞台で面白かった。昔、惑星ピスタチオ西田シャトナーさんとかがいた劇団)がやってた「舞台を立体的に使ってカメラワークを演出する」という方針が貫かれていて面白かった。「剣の先からビームが!(ビーム役の人たちが両手を広げて剣の先に並ぶ)」とか「役者は大きいけど実際に喋っているのは右手の先にいる一寸法師(しゃがんで人差指と中指を足と見立てる)」なんてのが何の説明もなく使われていて、それでも説得力があるのは演出のパワーですね。

 (ここからネタバレ有り)

青い月がお伽話(というかフィクション)の世界の登場人物をおかしくしてしまい、そのまま現実世界に出てしまい、現実世界で特殊な手段で浄化しないとその物語が白紙になる(物語があったことすら人の記憶から消えてしまう)という設定(ここが法文化されてるのが「月光条例」。条例だけでは意味を成さないので法の執行者として主人公がいる)は原作のものを使っているようですが、どこから舞台演出で作られたストーリーなのかは一度原作を読んでみないとなんとも。

原作はおろか、前編である「月光編」を見てなくても話の筋が終えるようなストーリーになっているのは立派。「お伽話最強の男が!」と出てくるのが桃太郎だったり(あー、確かに日本一ですな)、わらしべ長者のわらだけが人格を持ってストーリーに参加したり、きびだんごが必殺アイテムになっていたりと登場人物がいちいち可笑しいのもいいです。

超武闘派の女、シンデレラが「ガラスの靴キック」で敵を倒したり、アクションシーンの効果音がヴァーチャファイターみたいにやけに金属音チックだったり、乱闘しながらストーリーが進んだりと演出はすごい派手でした。

途中、「お伽話」だけではなく「フィクションの物語」が現実世界に溢れてきてマリオや「うしおととら」(「お前、さっきも出てきたろ!」「あっちは漫画版。今はアニメ版」)や「からくりサーカス」(「お前、さっきも出てきたろ!」「今はアニメ版」「や、まだアニメ化されてないから!」)が出てくるのも楽しかった。スーパー藤田大戦のシーンでみんなアドリブで話を進めて「ここ、台本には一行も書かれてないから」「さあ、どうつなげる?」みたいなメタフィクションになっちゃってるのもお祭り気分でよかった。「千秋楽だからってみんな終演時間を気にせずやってるな!」とか。

ストーリーはシリアスな部分もコメディな部分もあって、武器が擬人化して現れたり(主人公の持つ金棒が擬人化して現れた時に下着姿でアクションをするのはサービスシーンなんだろうな)、最重要人物である「かぐや」が途中で捨てられたり、エンディングで結局主人公チームがどうなったのかが微妙にぼかされてたり。

それでもきちんと盛り上げてカタルシスのあるエンディングに持っていくのは力技でもストーリーの組み立てとして上手いと思いました。あっという間の3時間でした。

 

ただ、「嘘の物語」を敵視している割に演劇やテレビドラマをフィクションとして捉えているのはなんかちょっと変だなぁとは思いました。フィクションって、基本嘘だよね。

敵の大ボスが特撮マニアで「ライダーキック」だの「スペシウム光線」だのを使ってくるのも面白いけど、ここもフィクションだよなぁ、と。お伽話もフィクションのはずなので、かぐや姫が仕方ない事情で月からやってきて帰らなければならない、というストーリーラインもフィクション(竹取物語)を歪めているような気がするんだけど、そこは許されちゃうのかな。

最後の方までなぜヒロインが「エンゲキブ」という名前なのか微妙にわからなかったのもちょっと説明不足かも。「あなた、エンゲキブの名前言える?」というセリフがあって初めてエンゲキブが自称している名前で、正体を誰も知らないということが明らかになるんだけど、そのシーケンス自体はもうちょっと初めのほうでやらないとエンゲキブの存在が微妙に確定しないような。前半(月光編)ですでにやってるんだろうか? DVD頼んだので前半も後で見てみましょう。

 

ともあれ、舞台演劇はいいですね。

面白かったです。見ながら「物語が白紙になっていく」という展開でWiiのゲームソフト「ソニックと秘密のリング」を思い出していました。「アラビアンナイトの世界に行った時に修行をして魔法が使えるようになった」とか、微妙に被りますが劇団の人たち「ソニックと秘密のリング」やったこと無いんだろうな。