エピローグ/円城塔
現在8%。第2章でアラクネと会っている辺り。
私の個人的なSF史の中で明らかに分けられるポイントが有ります。
それは「神林長平以前か、神林長平以降か」という非常に明確なものです。
いくら谷甲州が好きだからといってもこの人は「以前」の人ですし、ホーガンやクラークやアシモフやハインラインも「以前」の人です。
神林長平の影響は非常に強く、現在のSFやライトノベルには露骨なフォロワーがたくさんいます。早川書房なんかはかなりそれを意識しているので神林長平の殆どの作品を文庫化、電子化してますし、「神林長平トリビュート」なる二次創作のアンソロジーを作ったりしています。このアンソロジーは結構凄くて、現代のSF作家が「いかに神林長平の影響を受けたか」が参加している作者から読み取れます。
円城塔は明らかに「以降」の作家です。思索の方法論や方向性は大きな影響を見て取れます。「神林長平トリビュート」にも当然のように参加してます。
この作品「エピローグ」も神林長平の影響が大きく見て取れます。現実を疑う態度、物語の構造が変化するほどの認識の変化。キャラクターの存在感など。神林長平の作品が好きな人ならば匂いでわかります。この人、仲間だ、と。
作品としてはまだ読み込んでないのでどの辺にゴールがあるのかは判りませんが(掲載されてたS-Fマガジンでチラチラと見てはいましたが)、安心して読んでいられます。
惜しむらくは忙しくて読んでる余裕が無いってことかな。あと92%、いつまでに読み終わるだろうなぁ。