なぜ今mbedか?
ずっと昔から「シンセサイザーの自作」が夢でした。
順当に考えて、VCOのラックとケーブルで作るのがシンセサイザー界の常道みたいですが、私の中のシンセサイザーはYMOでもクラフトワークでも冨田勲でもなく(両方好きですが)、「80年代のアーケードゲーム」につきます。
ピコピコした音で健気に音楽を鳴らしているというあの感触が忘れられません。
特にナムコの波形メモリ音源。C30の乾いた響きは耳に染み付いています。
同じ波形メモリ音源だったPCエンジンはなぜかあまり郷愁を駆られず、FM音源とPCMの世界に長いこと生きてきました。
で、今。
VSTiなんかで好きなだけ音源が作れるご時世になってふと思うのです。ああ、あの制限の世界が懐かしいな、と。
ちょうど「ハードウェア触りたい欲」が同時に来ていてこれはもう「あの頃の気分で理想の音源を作るしか」と思い始めました。
いろいろ調べているうちにあたったのがmbedです。RTOSで、すげー速い割り込みにも対応してるっぽい。1chとはいえD/Aコンバータがついてる。ARM-CortexM3だから速度もそこそこ出る。波形から合成していってもまだ追いつけそう。
整数割り算がハードウェアでサポートされてないのは工夫で乗り切るとして、ミニマルなソフトを作ってみたいな、と。ハードウェア直接叩けるところがいいぞ、と。
mbedは余りハードウェアを抽象化しないので直接叩いている気分になります(あくまで気分ですよ。メモリマップドI/Oまではさわれません)。D/Aコンバータというのもディジタルとアナログの接合面としては上出来です。
正月休み明けに秋葉原に行ってNXP1768のチップを買ってきました。正直、電気回路は余り得意ではありません(設計するのは好き)。はじめどこにワイヤーを固定するのかわからず、ICクリップだのブレッドボードだのいろいろ試すはめになりました。音を出すのに使おうとしていたマグネティックダイナミックイヤホンは電流が足りずに音が出ないという始末。
幾多の苦難を乗り越えてmbedは今日も行くのでした。
あ、プロジェクト名適当にSynthesizerとかつけちゃった。
正式名称は!
「1-chip Tune」
です!
電源さえあればどこでも動きます。電源もUSB経由の3.3Vがあれば十分。p1とp18の間をアンプで結んで音がなります。いや、ほんとに「音が鳴ってます」って以上のものじゃないですが。入力もリセットスイッチだけ。インジケータ4つついてるけど2つだけしか使ってないし。
さらなる野望のために突き進むのです。まずはADSRのEGとLFOだな。MMLはパースがめんどくさいから後回し。
Synthesizer - a mercurial repository | mbed
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