Florian's most newest Diary

ふろりあんの再最新日記

プロローグ/円城塔

読了。最後90%超えてからが長かった。

 

 

プロローグ (文春e-book)

プロローグ (文春e-book)

 

 

基本的には「良い夜を持っている」を実践したような小説。マルコフ連鎖で小説のようなものを書けるのは最後まで隠しておいて一気に畳み掛ける。「文学をリファクタリング」というほど壮大なものではないと思うなぁ。と、幼少期に筒井康隆をたくさん読んだ者は思う。

「日本抽象学会」は面白かった。「具体的なことは何もしゃべれない」という凄いルール。モルグの積み木言語の話もいい。抽象的に語れば語るほどその裏に具象がすけて見えるので、抽象と具象が結果的に曖昧になるという話は良かった。

とりあえず面白かった。SF的なネタで終わらせるんじゃなくて、「と、モルグは積み木言語で言った」で終わってれば個人的には傑作だったかも。