少女と傷とあっためミルク/春名風花
読了。
いろいろと考えさせられる。パソコン通信から初めてインターネットの初期から接している人間としては。
あの頃のインターネットは今よりも別の意味で殺伐としていて(fj.usageなんか凄かった)びくびくしながらNNTPに毎回投稿していた時代でした。
いくら意見を言っても全く理解して貰えないことも多く、自分の言葉が足りなかった所為だと用語の解説から始めて演繹的に証明していったら、「私はお前が嫌いだから投稿の内容なんかどうでもいい」と言われてあまりの徒労感に寝込んだり。
先代のパソコン通信のSysOpをやっていた師匠の「実際に顔を見たことある人以外には自分がパソコン通信ネットワークのSysOpであることを明かすな」という教えもきっちり守っていました。
「実際に顔を見たことある人」を増やそうとオフ会を定期的に開いて、当時むやみに広かったアパートに10人以上が集まって二晩以上寝泊まりしたりしてましたっけ。
今のはるかぜちゃん(テレビにレギュラーで出演している)の実在を疑う人はいないでしょうしはるかぜちゃんの中の人があの「春名風花」である事を疑う人もいないでしょう。
時代だなぁ、と思います。広域ネットワークの1サービスである所のTwitterというツールを使って自分の存在を知らしめる事にとどまらず、インターネット全体の理想の未来を模索しているのはフリーウェアを作って公開している(あれ? 今公開してないかな?)ストールマンの信者としては心強い仲間が下から来たと嬉しくなります。
はるかぜちゃんは好きなように変化していいと思います。高校生のはるかぜちゃん、劇団のファームのはるかぜちゃん、演技派女優はるかぜちゃんなどとクラスは変化していくでしょうし、そのたびにスタンスも変わっていくと思います。
でも、その変化を喜んでいきたいと思います。「はるかぜちゃんのしっぽ」の頃よりちょっと大人になったこの本でも変化が見て取れますし。