ネコカフェ探訪
「東京はあちこちにネコカフェがあるそうだな」
「そうなの……か?」
「ほら、こんな記事が」
「あー、なるほど。凄いことになってるな」
「ネコいいなー。癒されたい」
「飼えばいいじゃん」
「一応期間が切られてるので帰国すること考えるとおいそれと拾えない」
「そもそも野良猫がいるのかな?」
「そういえば見かけないなぁ。この人のところには来たみたいだけど」
「東京はネコカフェ以前に野良猫が割といるけどね」
「こんなことで自慢されるとは思わなかった」
「ふふん……って、日がな象やキリンやシマウマと戯れてるんじゃなかったのか?」
「まさか。市街地には降りてこないよ」
「田舎にインターネット通すとか言ってたから」
「サバンナの真ん中でも集落ぐらいあるよ。今ならGPRS通るから衛星回線はあんまりありがたがられない」
「GPRSとは懐かしい単語を聞いたな。GSMが通らない日本では結局日の目を見なかったな」
「EDGEは来てない」
「AirEDGE?」
「それはPHS。こっち」
「ますます日の目を見ない規格だ」
「GSM前提だからね」
「最近のスマートフォンは日本ではつかえないGSMのアンテナと受信機付いてるらしいけどね」
「グローバルスタンダードってそういうモンじゃない?」
「ちょっと前まで携帯電話はガラケーと呼ばれてたのを考えると凄い変化」
「ガラって何? 鶏ガラスープか何か?」
「ガラパゴス携帯電話。独自進化の果てになんかわからないものになったという例えだな」
「血圧測ったり血糖値測ったりするような機能が……」
「おしいな、それは日本のじゃなくて韓国のガラケー。韓国もグローバル化が急激に進んだからもう時代遅れじゃないかなー」
「また一つ商機を逃してしまった」
「商機を掴めるような職に就いてないくせに」
「なにおう。こっちではウィッチドクターとして重宝されてるんだぞ」
「ネットワーク技術者がウィッチとはどういう了見だ。ウィザードじゃないのか」
「ふふふ、恐れ入ったか」
「……これが言いたかったのか?>ウィザードじゃなくてウィッチ」
「わはは。先取りされるとは思わなかったけど」