Florian's most newest Diary

ふろりあんの再最新日記

.hack://The Movieセカイの向こうに

ゲーム側のスタッフが背伸びして劇映画に挑戦するとろくな事がないのではらはらしながら見始めたのですが、なかなかどうして堂々とした映画に仕上がってました。絵コンテがアニメーション専業の人たち担当だったのが功を奏したのかな。

現実サイドとThe Worldサイドで質感の表現をがらっと変えたのはかなりの部分で成功してます。あと、たぶんなんだけどカメラに制限かけてないかな、現実サイド。クレーンとかを大幅に使うような撮影はしてないような。

現実サイドはキャラクターはイラスト調、背景はアクリル絵の具風味に仕上がるように調整してあって、ゲーム側はいかにもCGちっくなハイパーリアリスティック。ま、順当な線ですね。ただ、現実側での様々なSFプロップ(小道具)がいい線をついていてHeadならぬFaceにMountするDisplay(FMD)とか、コントローラーだけのゲーム機とか、10年後でも大きく変わってないだろうと想定されているノートパソコンとか(ここだけレトロ調なんね。おもしろい)。

お話は終盤のアクションシーンにあまり意味がない気がしなくもないですが、まあ、片思いの話がきちんとけりがついてよし。「セカイの向こうに」というのは「セカイ系」という意味ではなくて「The World」というゲームの向こうにも現実の延長線が広がっている、という事を一言で示したもので、おじいちゃんの長距離恋愛や、主人公と田中君の関係などドライにもウェットにもよらず、「あって当然なつながり」を示したものなんですね。なるほど。

3D化はなかなかうまくいってました。元が3D-CGなので不自然にはならない素質はあったにせよよく頑張っています。

 

ちなみに友人と見に行ったのですが、直前に「ヴォカリーズ」の話やネットゲームの話やヴォーカルシンセサイザーの話やSONYのHMDの実物を見た直後にこういう映画だったので、「現実からの伏線がどんどん解消されていくのがすごかった」というどうでもいい感想を二人で得ました。

ちなみに音楽はヴォカリーズを多用したオーケストレーションで(現実側の話には実は音楽はあまりかからない)、和田薫の絶妙な編曲がいい感じでした。あ、そうそう、CC2といえばこの人は外せないKOKIAは当然のようにエンディング歌ってます。イケメン女子中学生はネコミミだし。CC2の人たち判ってるなぁ。

ともあれ、割と満足した映画でした。明日までだった割に人が入ってたし。