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ふろりあんの再最新日記

風は垂てに吹く/テトラクロマット

(4)今回の公演のご感想をお書きください

8/22夕方の回です。

 

テトラクロマット第3回公演「風は垂てに吹く」

 

 

 

 

 

もういいかな?

TLS(Totally Locked-in State:閉じ込められ状態)の夫を持つ妻が主人公。冒頭の「Whiskey-Tango(フォネティックコードで呼んでいる)応答してください」の意味が話が進むにつれて重層的に見えてくるのが素敵。

誰彼(黄昏)どきの昼と朝の間のあいまいな狭間の時間、迷走する星たちは惑星として天文台に集う。飛び立ったはいいけどどこにも降りられなかった魂は惑星になる。まずこの設定がいい。ライカ犬クドリャフカの独白が見もの。

「ライカライカっていうけど、ライカは犬の種類のことで私の名前じゃないからね!」

クドリャフカと呼んでボールを投げてくれた研究員のことを覚えているかね? クドリャフカは「かわいい巻毛ちゃん」」

「何度もボールを投げてくれたのを覚えてます。あの時、研究員さんたちが何で泣いているのか私にはわかりませんでした」

泣ける(;_;)。クドリャフカにとって空は黒いところであったというセリフも泣ける。

アメリア・イアハートが冒険飛行中に行方不明になったのも知らなかった。ナビゲーターであったフレッドを見捨てさせられるシーンは泣けた。

 

何より、グライダーの描写が偉い本格的なのが素晴らしかった。「もうちょっと下反」「もう少し後退させて」と、羽根の設定のシーンが分かる人じゃないとわからないのがいい。エンジンなんかなくても空を飛べる、という当たり前のことが細かく描写されてるのがよかった。

ゴールデン・ドーンの中では風が下から上に垂に吹くという設定と最後のプロジェクション・マッピングされた描かれた絵(なるほどなぁ、ああ使うか)も相まってラストのシーン(ロックインされた人と、愛の奇跡で会話が成り立つ、という解釈でいいんだよね?)がいたく感動的なのもいい。

 

あと、前にも書いたけどアコースティックギターによるBGMと主題歌が作品に素晴らしくマッチしていたのがよかった。主題歌を歌って、会場の客と一緒に歌わせるという趣向もよかった。

 

全体として非常に感動的な舞台でした。面白かった!千秋楽の今日の公演のチケットはもう売り切れてるけどな!